LEATHER NOTE:
THREE PROCESSES OF LEATHER PRODUCTION
LEATHER NOTE GREETING
THE WARMTHCRAFTS-MANUFACTUREの製品に使用されている革は、新喜皮革謹製のコードバン及びホースハイドです。
スモールレザーグッズ、バッグには外装と内装を問わず、全てのパーツに新喜皮革謹製のコードバン及びホースハイドを使用しています。
LEATHER NOTEでは、各モデルで使用されているコードバンとホースハイドの特徴やカラーラインナップをご紹介します。
ABOUT OUR HORSE LEATHERS
LEATHER NOTEでは、皮革製造の代表的な工程である「鞣(なめ)し工程」「乾燥工程」「仕上げ工程」の3工程を取り上げて紹介しています。
それぞれの工程はコードバンとホースハイドを生産するにあたり大切な工程となります。
皮革製造では確かな技術と経験が必要とされ、天候や湿度の把握・予測も重要です。
各工程で使用する機材は、アンティークと呼べるものからイタリア製の最新機材まで幅広く揃え、使用する薬品は天然由来のものから化学的に生産された薬品まで、これまで積み重ねてきた知識と経験をもとにベストのものが選ばれています。
新喜皮革が70年にわたって培ってきた技術と蓄積してきた経験を余すことなく注ぐことで、魅力的なコードバンとホースハイドを生産することができるのです。
TWCM製品使用皮革 部位、鞣し方法、調色・仕上方法一覧
馬皮はヨーロッパからの海上輸送を経て、兵庫県姫路市にある新喜皮革へ生皮の状態で入荷します。
皮の性質の違いから、ホースハイド用の胴体部とコードバン用の臀部に分けられてから鞣し工程へ進みます。
鞣し工程後は、様々な工程を経て最終の仕上げが施されることで、それぞれの表情と特徴を備えた馬革へと生まれ変わります。
そして弊社職人の手に渡り、THE WARMTHCRAFTS-MANUFACTUREの製品へと形を変えていくのです。
TANNING PROCESS : 鞣し工程
鞣しは、生の「皮」を腐敗しない「革」に加工する工程です。
様々な方法がありますが、新喜皮革ではタンニン鞣しとクロム鞣しの2種類の鞣し方法を用いています。
タンニン鞣しにはミモザ(アカシア)の樹皮エキスを用い、ピット(槽)の中でゆっくりと長い時間をかけて鞣す方法です。
クロム鞣しは塩基性硫酸クロムを用いて短時間に鞣すことができ、世界で最も流通している革がクロム鞣し製の革です。
鞣しは古代から様々な方法で行われており、新喜皮革では古式のタンニン鞣しとクロム鞣しを、これまでのデータを元に丁寧に行われています。
TWCMでは鞣し方法によって生じる質感の違いを活かし、素材を適材適所でデザインに合わせて製作しています。
人間の営みで生じる副産物に、鞣しから始まる様々な工程で再び命を吹き込み革となり、様々な用途で製品として利用されてきたこと、そしてそれが現代まで続いているということがとても示唆的に感じられます。
DRYING PROCESS : 乾燥工程
革製造において何度も繰り返される「乾燥工程」です。
革をただ乾かすことが目的ではなく、革を最適な状態に維持しながら乾燥を進めていく必要があります。
職人は毎日、目と手の感触を頼りに革の状態を見極めて進行の判断を求められます。
仮に過度な乾燥や不十分な乾燥状態で先の工程に進むと、使用中の塗膜剥離等の不具合が起こってしまう可能性があります。
加えて天候による湿度変化にも大きく左右されるなど、全工程を通じて職人は状況と状態を踏まえた慎重な判断が必要とされ、漫然と革を乾していては円滑な革製造に支障をきたしてしまいます。
乾燥工程の職人の動きを注意深く見ていると、革を乾すために吊っているだけのように見えますが、革の間隔をずらしたり、後の工程に配慮した吊り方をしたりと、職人の経験値と感覚をセットで理解すると、とても単純とは言えない工程と感じます。
時々工場を覗くと、前を流れる市川から優しく吹く適度に湿度を含んだ風に吹かれてコードバン/ホースハイドは気持ちよさそうに揺れています。
FINISHING PROCESS : 仕上げ工程
製造工程のクライマックス「仕上げ工程」は多種多彩な工程です。
コードバンとホースハイドに「ピグメント(顔料)」もしくは「アニリン(染料)」による仕上げで彩りを与えていきます。
コードバンのアニリン仕上げは、「グレージング」という特殊な機械の先についた滑らかなガラスの棒で表面を平滑にすることで輝きが生まれ、他にはない感動を私たちに与えてくれます。
コードバンのピグメント仕上げは温度と湿度が厳重に管理された場所において、職人が粉塵や埃に配慮して作業を行い、その後の厳しい検品を経て仕上げられています。
創業70有余年の新喜皮革においては最新の機械や新たな仕上げ技術の導入だけでなく、携わる職人ひとりひとりの向上心も感じられます。
それはつまり、常により良い馬革を生産するという基本的な姿勢が根付いている証だと思うのです。
TWCMは新喜皮革の全面協力の元に、革製造職人と密にコミュニケーションをとりながら、お互い納得できる革を追求し続けていきます。